陸上トレーニング

2019.04.24

ウォーキング・ジョギング・ランニング・マラソンの違いについて

「歩く」… 「走る」… 多くの人が健康づくりのために実践できる代表的な有酸素運動です。

日常の「歩く」動作と違い、「ウォーキング」は、「健康や体力の維持・改善・増進を目的として歩くこと」を言います。また、わが国では「ジョギング」と「ランニング」で、同じ「走る」ことを表現したりします。

ウォーキング、ジョギング、ランニングのそれぞれの違いについて考えてみましょう。

まずは、「歩く」と「走る」の違い

歩く:常にどちらかの足が地面についた移動方法。

走る:両足が同時に地面から離れる・浮く・ジャンプする瞬間がある移動方法。

着地時にひざや足首などにかかる衝撃は、歩く場合は体重の約1.5倍、走る場合は体重の約3倍といわれています。走る方が地面から空中に浮いたあと片足ずつ着地することで負担が大きくなるため、「走る」方が足を支え守る筋力がより必要となります。

「ジョギング」と「ランニング」目的による違い

ジョギング:ゆっくりとした、楽な速さで走ること。ウォーキングから延長した軽い駆け足となりますので、より速く走ることを目的とはしていません。健康づくりのため、また、陸上競技などスポーツの準備運動として体慣らしのために軽く走ることをジョギングと言います。

ランニング:かなり速いスピードまで含むような走り方で、より速く、より長い距離を目指すこと、そして、競技スポーツや趣味でレース出場など走ることを目的とした運動となります。

ちなみに、競技を目的とした「歩く」は競歩になります。いずれかの足は地面についた状態でなければならないといった厳しいルールを守りながら、歩く速さを競います。

速度の違い

ウォーキング 1kmを15分前後(70m/分):普通に歩く
1kmを12分前後(80~90m/分):元気な中高齢者の早歩き
1kmを8分(120m/分):競争するほどのかなり早歩き
ジョギング 1kmを10分(100m/分)~5分(200m/分)
ランニング 1kmを5分(200m/分)以内

ウォーキングやジョギングでは「話しながら歩ける、走れる」速さ、ランニングでは「息が弾む~息切れする」ぐらいの速さとなります。

マラソンへの挑戦

マラソンというと42.195kmのフルマラソンを指しますが、市民ランナー向けに距離が数kmと短い大会や、100㎞を超えるウルトラマラソンま であります。まずは、短い距離のマラソン大会から挑戦して、気持ちよく完走できたことで、次のステップへ段階的に進んでいきましょう。

フルマラソン大会に出るまでのステップ

  1. ゆっくり歩きと早歩きを繰り返すウォーキングから始めて、週3回程度30分間歩く習慣がついたら、筋肉を鍛える補強トレーニングを加えていきます。

  2. 30分間のなかにウォーキング+ジョギング+ウォーキングというように、走ることを徐々に加えていきます。目標はジョギングのみで30分間続けられることです。

  3. 無理なく30分間走れるようになったら、時間を徐々に増やしていきます。次は60分間のランニングに挑戦です。フルマラソン完走の目標タイムを5時間と想定 して、60分間で約9km(1kmを6分40秒ペース)を走れるようにしていきます。ここで無理をしないことが大切です。

  4. 60分間で9㎞の距離を走れるようになったら、30kmのランニングに挑戦です。レースの3~4週間前に一度30㎞の距離を走っておくと自信にもつながり、メンタル面でも強くなれます。

42.195㎞の距離はレース当日まで楽しみにとっておくぐらいがベストです。

自分の体と相談しながら、コツコツと無理なく、それぞれのステップの期間も個人に合わせて、楽しみながら進めていきましょう。

また、ウォーキングから走ることへステップを上げる際、スロージョギング®を加えてみることもお勧めです。スロージョギング®は歩く速度か、むしろ それより遅いペースでジョギングをすることです。疲労がたまらず、誰でもラクに楽しく始めることができ、継続しやすく、心地よく長く走ることができます。

高地トレーニングと市民ランナー

タイムなど記録を伸ばしたい場合は、距離やスピードの強弱など変化をつけたトレーニング方法が適しています。また、トップアスリートだけでなく市 民ランナーにとっても、高地トレーニングは効果的です。酸素の薄い高地環境でトレーニングすることで、体が順応し効果的に酸素摂取能力が高まり、持久力の 向上を期待することができます。

本来は3週間以上の長期滞在が望ましいですが、週末に高地に通ってトレーニングをする「インターバル型」も有効であり、市民ランナーにとって取り組みやすい方法の一つです。

公益財団法人 身体教育医学研究所 指導員 横井 佳代

公益財団法人 身体教育医学研究所 指導員 横井 佳代

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