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2019.10.10
金メダリストが語る高地トレーニングvol.3 オフの過ごし方と食事
こんにちは。
湯の丸高原スポーツ交流施設PR大使の金藤理絵です。
高地トレーニングの連載第3回目は、私が経験した練習以外のオフの日の過ごし方や、食事・水分補給で必要な注意点を少し詳しくご紹介させていただきます。。
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金藤 理絵(かねとう りえ)
1988年生まれ、広島県出身。
2016年、リオデジャネイロオリンピック女子200m平泳ぎで金メダルを獲得。
前回記事はこちら↓
オフの日の過ごし方
アメリカでの場合
私がよく行っていたアメリカでの高地トレーニングのときは、世界遺産のグランドキャニオンやセドナへ観光に行っていました。セドナは標高が半分ほど下がるので、「酸素だ!!笑」などと冗談を言い合ったりもしていました。
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遠くへの観光も良いですが、宿泊施設近くにあるカフェや雑貨屋さんでゆっくり過ごすしたりもしました。訪れた場所の文化や雰囲気を感じる事で気分転換にもなると思います。
東御市の場合
湯の丸高原スポーツ交流施設がある東御市は、ワインがとても有名で、現在は10軒(2019年10月現在)ものワイナリーがあります。近隣の牧場から仕入れた牛乳を使ったチーズもおいしいです。
選手がワインを楽しむというのは難しいかと思いますが、お土産にしたり、頑張ったご褒美にチーズを使用したスイーツを楽しむというのも充実したオフの過ごし方になるのではないかと思います。
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また、信州といったら蕎麦!食べ比べをしてお気に入りの蕎麦屋さんを見つけるのも楽しいですね。
更にもう少し足をのばせば、海野宿、真田幸村で有名な上田城跡や、軽井沢プリンスショッピングプラザ(標高940m程度)もあり、歴史を感じる街並みの散歩や買い物も楽しめます。
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軽井沢は多くのショップが集まっているので、敷地内全てまわるのは時間もかかり疲れるので、予め欲しいものを絞って行く事をおすすめします。オフなのに疲れてしまっては本末転倒なので、しっかり計画をたてて行きましょう!
高地適応における食事量と水分補給
第1回のブログで体調を崩さずトレーニンングを行うアドバイスを記載しましたが、少し詳しく食事と水分補給について説明したいと思います。
前回記事はこちら↓
金メダリストが語る高地トレーニングvol.1 初めての高地トレーニング
最初の高地環境順応期での食事の量は、腹6分目、普段の食事の約半分、おなかが空いて物足りないくらいが理想です。なるべく消化に良いものを選んで食べると更によいです。ゼリー飲料を摂取するのもおすすめです。
次の高地環境トレーニング適応期での食事の量は、腹8分目が理想です。「もう少し食べたいな」「なにか物足りない気がするな」くらいが目安です。
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高地環境はただでさえ乾燥していて、冬場は暖房器具を使用するのでさらに室内は乾燥します。空気が乾燥していると汗をかいていることに気づかなかったり、気圧の違いで平地より体内から水分が対外へ出ていきます。
そのため普段以上に意識して、練習量や体質にもよりますが概ね1日2リットル以上の水分補給をする事が重要です。練習の時も水中練習のときだけではく、補強やストレッチなどを行っている時も意識して水分を摂るようにしましょう。
その他にもミーティング中にも持参したり、寝ている時に枕元にペットボトル等を配置し、目が覚めた時に一口含むなどして脱水症状にならないよう気をつけましょう。
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充実した練習には事前の準備が大切
私自身、練習を休むことはありませんでしたが、最初のオフの日に町へ下山し、標高の変化に対応出来なかったのか、発熱と頭痛が出たことがあります。
チーム内では睡眠時間が長かったグループの選手が何人も、軽い高山病のような症状を訴えたこともありました。また、高地環境になれた時期でも、消化に時間がかかる食事をしたあと、すぐに入浴して脱水症状のようになった選手もいました。
どんなに意識して気をつけていても体調不良を起こしてしまう事はありますが、予防できる事はしっかり予防し、充実したトレーニングができるよう準備をしましょう。
次回は、いよいよ10月20日に東御市・湯の丸高原にオープンする高地トレーニング用プールのレポートをしたいと思います!お楽しみに。
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東御市湯の丸高原スポーツ交流施設PR大使 金藤 理絵